Humor and Knowledge

HumorとKnowlegeを大切にしたい人のブログ

002:黒の女とピンクの女(色の持つ魔力について)

f:id:HandK:20170429231911j:plain

大学2年時から修士卒業、まぁそのあと数年間、ずっとある大学教授に恋してた。

もう60すぎたおじいさん先生だけど、枯れた魅力っていうの?もうなんでもいいけど、とにかく自分の専門分野において1聞けば100返ってくる(HandKはその内60%ほどは理解できていない)ところとか、偏屈なところとか、最初つっけんどんでめっちゃ怖いけど、時間が経てばお菓子くれたり、名前を呼んでくれたり(1年間は呼んでくれていない)してくるところとか高身長でいつも渋いワインレッド、ネイビー、ブラックでまとめたファッションとか、もう全部、もう全部まるっと好きだった。

 

でも凄すぎて、横に立てるわけがなくて、結局何も言わずに終わってるんですけど。

 

すごい、好きだったなぁ…。

 

 

この間、院生の頃にアシスタントをしていた先生の手伝いを久しぶりにした時に、その先生から「HandKのことを話してたら、あぁ、あのいつも黒い服を着ていた彼女ね〜って言われたんだよねぇ」って言われた。どうやらこの先生と他の先生で私が手伝いに来ることについての話になった時に、私がいつも黒い服を着ていたという話になったらしい。

 

確かに、私の服は8割黒が占めている。洗濯して、乾かしてるのを見ると、ずらっと黒が並んでいて、自分でも何度か「黒い…」って驚いてる。(部屋が白いから…)

それは私がオタクだから、ではなくて(いや多分それもあるんだろうな…)、高校生の頃、カメラマンの叔父の手伝いをアルバイトとしていた時の経験からだ。叔父はいつも黒かった。ギャルソンを好んで着ていた。一緒にスタジオを経営している叔母も黒かった。二人は常にスタイリッシュだったが、いつだってそこに性の香りはなかった。

ギャルソンで固める人たちに、性の香りはしないという偏見はここで生まれたんだな。

彼らは、異性をターゲットとした服装をしていない。だからなんだろうな。アートに生きているのだろう。色気を含まないアート。

 

とにかく、思春期真っ只中の私にとってそれは一つの大きな刺激の一つで、叔母のお古をもらえることもあって、高校生の私は黒にはまっていった。

黒はすごい。着るだけでオシャレに見える。それがギャルソンならなおさらだ。

オシャレになった自分に高揚して、私は黒の女になった。

 

でも、いつからだったか、いや多分留学して帰ってきた後、アパレル関係でアルバイトを始めた頃だな、その時に色の面白さを知った。バイトしているときは、その店の服を着なくちゃダメで、しかもその時売りたいものを着た方がいいという暗黙のルールがあった。それで、色々試さざるを得なくなった時に、振り切れたんだと思う。

あ、あと留学して10kg太って日本の服がことごとく合わなくなって、ファッションに関するこだわりが(否応無く)薄まったのも影響の一つだろう。体重が戻るとともに、こだわりも戻ったけれど。

 

様々な色を試した結果、パキッとしたピンクとか緑、原色が似合うんだなと気づいた。あと、白。就活スーツ(留学して帰ってきて、一回地元で就活したんだよね)の白いシャツがものすごく似合わなかったから白は自分に似合わないと決めつけていたのに、いざ麻の大きめのシャツを着てみたら、鏡に映った自分が清潔感溢れたスッキリした女性に見えてとても驚いたのを覚えている。

 

それで、大学、院では黒プラス差し色で落ち着いてきてはいたものの、気をぬくと黒一色になることが度々あったから、先生たちもそう覚えていたのかもしれない。だけど、「黒しか着ない子」って覚えられていたのは、面白いと思う反面、なぜか嬉しくもあった。やっぱりなんだかんだで黒が、好きだから。

 

黒にもいろいろあって、赤みを帯びた黒とか、青みの強い黒とかある。異なる黒を合わせると一気に統一感が崩れておかしくなってしまう。ファッション関連で好きな本に、「パリジェンヌのお気に入り(米澤ようこ)」があるが、そこにまさしく私が考えていた黒に関する上記のようなことが確か書かれていた。全くその通りだと思う。

黒を着てまとめているつもりが、安っぽく見えてしまう人がいたら、黒の異なる色みに気づいていないのだと思う。

黒は強い、迷いのない色だから、合わせるのも迷いのない色でなければ。

 

 

ーーー私が恋した教授は、2回目の授業で私を指した時、こういった。

 

「そこのLady in the Pink.」

 

一声惚れだった。確かに私はその時、ワインレッド(遠目からはピンクにも見えるから、60代のおじいちゃんにはピンクでまとまってしまうのだろうかわいいなちくしょう)のワンピースを着ていた。土曜日の講義で、いつもより浮かれポンチだった私は、黒じゃなくて色をまといたかったのだろう、お気に入りの七分袖で、ウエストシェイプされた膝丈タイトのワンピースを着ていた。

それを彼は、まだまだ生徒みんな緊張している中、かったるげな、かつそこはかとなく色気の含んだ(少なくとも私にとっては、だ。)流し目で私をひたと見据えて、そう言った。「そこのピンクの女」と。

 

震えた。

 

何がって全部。心も体も鷲掴みだった。私はピンクの女なんだって思った。よくわからないけど。それが私の代名詞なんだって。なんて詩的な!なにそのほとばしるアーティな響き…!

 

ま、そんなこんなで勝負の時には必ずワインレッドを着るようになったHandKです。

老教授は生粋の英国人で、そのあまりにも典型的すぎる偏屈ぶりやひねくれぶりに私はその後どんどこズイズイはまっていったわけです。おかげで30過ぎた今、思いっきり独身です。多分、結婚は、できない。(色々考えたし試してもみた結果、結構、本気で、悟った、ハハハ)

 

でもいいの、わかりやすいの、恋をすると私色を着るのよ。黒の%が減ってくの。

みんなそうなのかな、そうなんだろうな、色ってそういう力があるんだろう。

勉強でも仕事でも何かに熱心に打ち込んでいるときは、黒が多い。雰囲気すらもストイックになりたいんだろう。強くなりたいときは、絶対に黒を着る。しかも体のラインを出す系の。色気も攻めの色気になる。

だけど、恋愛浮かれポンチな時は、色を着る。色気は受けの色気にする。

 

黒が基本で、時々色。ちなみに系統はどの色にしろ綺麗めウエストマークが基本で、女と戦うときはモードにする。男と戦うときは攻めの色気にする。試行錯誤してたどり着いたのは、そんな感じだ。

私の中で色気は大切な要素の一つである。基本スカートを履いているがその理由は、女性しか履けないから(たいていの場合において)。女性なら、女性なりの色気を出したい。男性なら男性なりの色気を気にしてほしい。性別って、この世からなくなるものではないから、自分が納得した性を大切にしたいと私は思う。だから、実は色気を醸し出さない人が少し苦手だったりする。前述した私の叔父と叔母は、全く色気がなくて、その部分だけが私は少し苦手だった。なんでなんだろう、この問題については今後もっと深く考えてみたいな。

 

黒の女とピンクの女。それは同一人物だけど、テンションが違う。そんな話でした。

あ〜…先生に会いたくなってしまった…

 

しょうがない、 妄想して早く寝よう。